男性の育児休暇取得が進まないのはパタハラも一因?
パタハラって知っていますか?
パタニティー(父性)ハラスメントと言って、男性が育児休暇などを取った時にされる嫌がらせや不利益な扱いのことです。
マタニティーハラスメントの男性版です。
近年とみに男性も育児にかかわろう、育児休暇を取ろうという声が聞かれるようになりましたが、現実はまだまだです。
これでは先進国とは言い難い状況にあります。
その状況と、なぜ男性の育児休暇取得が進まないのかを考えてみました。
男性の育児休暇の実情はどうなの
実は冒頭、「パタハラって知っていますか?」と聞いた私は「パタニティーハラスメント」という言葉を知りませんでした。
最近のニュース記事を読んでその意味を知りました。
と同時に、パタハラに相当する話題を耳にしていることを思い起こしました。
男性の育児休暇取得の実態
男性の育児休暇の実情はどのようになっているのでしょう?
下のグラフは産経新聞が掲載した2018年の男性の育児休暇取得の日数の状況を表しています。
この図から育児休暇を取得した男性のうち、5日未満が約57%で最も多く、次に5日から2週間未満が約18%となっています。
また、厚労省の発表によると育児休暇取得率は女性が約82%に対し、男性は6%余りと、男性の取得率は女性の10分の1以下です。
男性の育児休暇の制度はどうなの
では、このように男性の育児休暇取得が進まないのは、国の制度に問題があるのでしょうか?
ユニセフ(国連児童基金)の報告書では2016年時点の男性の子育て支援策において、日本は第1位の評価になっています。
以前は女性が専業主婦だと男性は育児休暇を取れないことになっていましたが、現在は法律が改正され、専業主婦であっても取れることになっています。
このように制度的には世界的にみてもそん色ない内容に整備されているにもかかわらず、男性の育児休暇取得率や取得日数が少ないのは、現実に実施するにあたって問題があるということです。
男性の育児休暇取得を阻害するもの
日本では育児は女性がするものという通念が長く続いてきました。
また、人員不足により仕事を休みずらかったり、育児が理由の休暇届を出すのをためらう雰囲気があったりという職場も少なからずあるのは事実です。
特に中小企業では人的余裕がない場合が多いのではないでしょうか?
これらの実情を変えていく抜本的方策がなされない限り、男性の育児休暇取得を浸透させていくのは容易ではないかもしれません。
パタハラという現実も
昨日、ある有名企業の社員が会社をパタハラ理由で提訴しました。
育児休暇から復帰した当日に、子会社へ出向になったというのです。
これを聞いて、今後この企業の商品は正直買いたくないと思いました。
実際、上司がなかなか休暇を許可しなかったり、不合理な処遇の可能性を示唆したりする場合もあるようです。
マタハラ(マタニティーハラスメント)はさんざん社会で問題視され、改められる方向に向かっていると思いますが、こんどは今度はパタハラです。
このような扱いをされると、育児休暇を取りたくても取れないのは当たりまえです。
いい加減に学習効果を発揮してもらいたいものです。
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さいごに
最近は一部の都市銀行など大企業で育児休暇を義務化する動きが出てきています。
徐々にではあるものの、これらのことが国全体の企業の意識を変えていって、育児休暇取得率の向上につながってほしいものです。
また、パタハラもマタハラの教訓から学んでなくしてほしいと思います。