倹約とケチの違いをわきまえた蓄財の名人、フランクリンを見習おう
以前、「フランクリン効果で対立する相手と親友になってしまおう!」で、ベンジャミン・フランクリンの業績の一端と「フランクリン効果」について紹介しました。
フランクリンは自分への戒めとして「十三の徳目」を定めて行動を律しています。
その中で五番目に「節約」をあげています。
フランクリンは84歳まで生きましたが、節約を上手にして蓄財をし、人生の後半はそれを使って社会貢献など自分のやりたいことを成し遂げました。
どんなふうにして蓄財したのでしょう?
節約の大切さを身をもって実践したフランクリン
フランクリンが定めた「十三の徳目」の五番目「節約」には、
「五、節約 他人または自分のためにならないことにお金を使わないこと。すなわち、むだな金は使わないこと。」
と定めています。
また、時間についても
「六、勤勉 時間を無駄にしないこと。有益な仕事につねに従事すること。必要のない行為はすべて切り捨てること。」
と戒めています。
以上は「フランクリン自伝」(渡邊利雄 訳、中公クラシックス)より引用です。
お金も時間も節約する人だったのです。
かといってケチとは違います。
蓄財したお金は図書館を設立したり、科学的発明や発見に使って世の人々のために大いに貢献しました。
フランクリンは
「1セントを節約するということは、1セントを稼ぐことと同じである」
と述べています。
欲しいものを千円で買ってしまうと千円が懐から出て行ってなくなるが、ぐっと我慢すれば千円はそのまま手元に残ります。
買いたい衝動を抑えることで、お金を貯めることができることになります。
もし、本当に自分の役に立つことでなければ、このような節約はすべきですね。
一方、
「1セントを使うということは、1セントの喜びを得ることである」
とも述べています。
このことから、自分が幸せになる、自分のためになることにはお金を使うべきとの考えを持っていたのです。
これらから、フランクリンは節約はすれどケチではないことがわかります。
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お金を貯めるにはどうすればいいか
フランクリンのようにお金の自由を得るにはどうすればいいでしょう?
現代はフランクリンの時代とは違うので、手法はいろいろ使えますが、考え方は変わりません。
生きるお金は使うが、ちゃんと節約をして、ただ欲望を満たすためのむだなお金は使わないということです。
そうでないと、給料日前に家計が火の車になってしまいます。
お金を貯める具体的方法
具体的にはどうすればいいか、ちょっと考えてみましょう。
貯蓄専用の預金口座を開設する
まず、毎月の収入から一定の額を貯金します。
毎月の収の10%を目安にするのをお勧めしますが、収入によっては5%などに調整します。
カツカツの生活になってまったく楽しみのないみじめな生活では何のために生きているのかということになってしまいます。
節約しすぎでもなく贅沢にもならない範囲で、バランスを取って割合を決めるようにします。
自分が残りのお金で節約すれば何とか生活できる範囲です。
そのための預金口座を設定して、このお金は使わないようにします。
蓄財専用の口座です。
公共料金など決まった支出用の預金口座を作る
次に、公共料金や税金など毎月ほぼ決まって出ていく金額を、別の預金口座にプールします。
この口座からは決まった項目用に必要なお金が出ていきます。
ダムが必要に応じて放水するのと同じです。
残ったお金の範囲で生活する
最後に残ったお金の範囲内でその月を生活します。
食費、交際費、旅費交通費、趣味などをこの範囲内で使います。
このお金は手元に持っておいても構いません。
最近はクレジットカードや電子マネーなどからの支払いもあるので、その場合は上記の2つの預金口座とは別に引き落とし用の口座を作ってもいいでしょう。
収入を3分割するメリット
このようにすると、
・毎月着実に蓄えが積み上がっていく。
・公共料金など月々必須のお金を確保できる。
・残ったお金で安心して生活できる。
などのメリットがあります。
注意することは、日々の生活を楽しむために節約や倹約をおろそかにして、毎月の貯蓄額を少なくしすぎないことです。
それだとなかなかお金は貯まりません。
フランクリンのように人生の折り返し地点までに悠々自適の生活が送れるような蓄財が出来ればそれに越したことはありません。
しかし、今の世の中、よほど恵まれた人でない限り、それは無理というものです。
蓄財しようとして株や債券、為替相場などに投資する人も多いとは思いますが、これらは思い通りにはならないのです。
つまり、自分でコントロールできないということです。
節約してお金を貯めていく方法が一番確実です。
フランクリンの名言、
「1セントを節約するということは、1セントを稼ぐことと同じである」
を実践していきましょう。
さいごに
これらは何歳からでも始められます。
始めるのに遅すぎるということはありません。
これは何かを学んだり始めたりするのと同じです。
もう十分貯まっているという人はパスしていただいて構いません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。